現在の歴史的な金価格の高騰により、昨年来から貴金属類のお持ち込みがかなり増え、金貨を査定させていただく機会も増えました。
ふだん何の気なしに査定で見ていましたが、そもそも金貨とはなんのために存在するのだろう…..ひょっとして、収集家たちの完全なるコレクションの為なのかな…?などと、いろいろ疑問に思ったので、
今回は「そもそも金貨とは何ぞや」というテーマで、お話ししていきたいと思います。
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金貨とは
その名の通り、金を素材として作られた貨幣のことです。
「希少性が高いこと」
「見栄えがいいこと」
「柔らかくて加工しやすいこと」
「サビや腐食に強いこと」
を理由に古くから世界中で貨幣の材料として使用されてきました。
金貨は大きく分けて「地金型金貨」「収集型金貨」に分けることができます。
地金型金貨
投資用に作られた金貨で、鋳造はその国の政府が行っており、重量や品位に関してはその国の政府に保証されています。
流通コスト、鋳造コストが上乗せされているのでグラム単価は金相場よりも若干高くなっています。
地金型金貨には法定通貨としての額面と、含有する金の重量(オンス)が書いてあり、品位が書いてあることもあります。
地金型金貨の額面は、その金貨の金としての価値よりもかなり低く設定されています。
基本的には投資用ですが、マン島キャット金貨やパンダ金貨等のように、発行された年ごとにデザインが違っていたりと、
後で説明しますが「収集型金貨」のような要素があったりもします。
代表的な地金型金貨・・・クルーガー金貨、メイプルリーフ金貨、ウィーン金貨、マン島キャット金貨etc…
マン島キャット金貨とは
マン島というイギリス王室領のマン島自治政府が発行していた『地金型金貨』です。
1988年~2012年まで毎年発行されていました。
名前の通りとても可愛い猫が描かれています。
表面には昨年崩御されたことでも記憶に新しいエリザベス2世の肖像が描かれています。
裏面の猫は毎年変わっています。
初めて発行された1988年と最後の年の2012年にはマン島の尻尾がない猫「マンクスキャット」が描かれており、
他にはペルシャ猫やメインクーン等、全25種類(品種は24種)の可愛らしい猫が描かれています。
エリザベス2世の肖像も発行年が新しければ新しいほど年相応になっていて、細かなところまでこだわりのあるコインです。
投資用の『地金型金貨』ですが、愛らしい猫のデザインで人気なことからネックレスやペンダントTOPとして販売されることもあります。
投資用なら金地金を購入すればいいのでは…?と思った方もいると思います。
それぞれにメリット・デメリットはありますが、金貨での投資は少額から始めることができますし、
サイズさえ選べばアクセサリーとして身に着けることもでき、保管場所に困らないというメリットがあります。
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収集型金貨
国の祝い事や行事で発行される記念金貨のようなコレクション要素の強い金貨です。
記念金貨は御即位や御成婚、世界的に国を挙げてのイベント(オリンピックやW杯など)で発行されることが多く、
日本の記念金貨は昭和61年に発行された「天皇陛下御在位60年記念」の10万円金貨が始まりで、
直近ですと、「沖縄復帰50周年記念」の1万円金貨が令和4年に発行されています。
一方、海外の収集型金貨は興味深く面白いものが多く、
例えばハリーポッターやくまのプーさんがモチーフのコインや、
「ピエールエルメ 200ユーロコイン」のようなマカロンの形をしたコイン等、
日本のコインではあまり見られない、ユニークな金貨がたくさんあります。
収集型金貨は金としての価格と額面を大きく超える価格で販売され、
額面は金としての価格より低く設定されることが多いです。
単純にコレクションとして集めている方もいれば、
後々プレミアがついたりすることを期待して集める人が多く、投機目的で購入する方もいます。
中古市場における取引価格は収集家等の市場価格によって決まります。
地金型金貨に比べるとハイリスクハイリターンな傾向がある金貨です。
記念金貨の中でも上記で触れた日本の「天皇陛下御在位60年記念」の10万円金貨は、
通貨型金貨として金融機関で両替という形式で発売され、額面が当時の金としての価値より高く設定されていました。
驚くべきことに、これは世界的に見てもほとんど例を見ません。
気になったので調べてみると、昭和61年の平均相場が1gあたり 1,900円だったそうなので、20gで40000円弱になります。
過去には大量偽造事件もあったそうです。
(4万円分の金で10万円を製造することができるんだからそうなってもおかしくはないよな…と)
金貨にまつわる世界の習慣
筆者はこれまで生きてきて、あまり金貨というものに馴染みがありませんでしたが、
世界では金貨にまつわる様々な習慣があるそうです。
スイスでは、産まれたばかりの赤ちゃんに金貨を握らせると、その子は一生豊かに暮らせるという言い伝えがあり、
毎年子供の誕生日には金貨を買うという習慣があります。
その子供が結婚する時に、「もしも生活に困ったらこの金貨を売りなさい」という気持ちも込めて、
これまで買い集めてきた金貨を贈るのだそうです。うらやましい…
トルコでは赤ちゃんが生まれたら産着にリボンのついた金貨などを安全ピンで留めてあげるのだそうです。
結婚式では参列者は列を作って新婚夫婦に金貨を贈るそうです。
確かに人に贈る金貨なら可愛らしい見た目をした金貨のほうが喜ばれそうですし、
海外ではユニークな形をした金貨が鋳造されているのもなんとなく納得できます。笑
金貨の買取について
地金型金貨と、日本で作られている記念金貨はほとんどの場合
「重さ」×「その日の金の買取相場」でのお買取価格になります。
筆者はこれまで見たことはないですが、「NGC」や「PCGS」の専門機関でグレーティングされ、
ギャランティのついた状態のいい金貨は中古市場での取引金額がびっくりするほど高いので、買取のお持ち込みがあれば、
その付加価値も加味して査定させていただきます。
最後に…
いかがでしたか?
今回は金貨についてご紹介しました。
ふだんの査定の際はある種、いわゆる単なる貴金属として捉えている部分がありましたが、
改めて調べてみると、一口に金貨といっても、
金相場によって価値が変わるものもあれば、中古相場によって価値が変わるものもあったりと、
視点を変えて見るとおもしろいお品だな…と思いました。
現在かんてい局金沢久安店では、金貨をはじめとする貴金属類の買取強化中です!
千切れたネックレスや変形してしまったリングでもお値段をお付けできますので、
ご不要な貴金属類がありましたらぜひかんてい局金沢久安店にお持ちください!
ご満足いただけるよう精一杯のお値段をつけさせていただきます。
それでは本日も皆様のご来店心よりお待ちしております。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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