『LOUIS VUITTON - ルイ・ヴィトン』と言われて知らないと仰る人は少ないでしょう。
これほどまでに世界に名を轟かせ、愛されているルイ・ヴィトン。今でも新しいデザインの開拓・発信を情熱的に行っているルイ・ヴィトンですが、その成り立ちまで詳しくご存じの方はどれぐらいいらっしゃいますでしょうか?
今回の記事ではルイ・ヴィトンについての知識を詳しく解説していきます!
ルイ・ヴィトンに詳しくない貴方も、ルイ・ヴィトン好きな貴方もルイ・ヴィトンマニアになってもっともっとルイ・ヴィトンのことを好きになっていってください!
目次
ルイ・ヴィトンの発祥
創業者であるルイ・ヴィトンが旅行用のトランクを専門としたアトリエを創業したところから歴史は始まります。
彼は14歳の頃に職人としての道を歩み始めようとしていたとき、両親との折り合いがつかずパリに飛び出し、20年もの期間をトランク製造と荷造りの職人として腕を磨きました。こうして一流の職人になった彼は、いつしかフランス王室から注文を受けるほどにまでなっていったのです。
そんな彼が1854年に創業した旅行カバン専門アトリエは時代に後押しされる形で大評判になります。
『馬車から鉄道に移動手段が移り変わっていく中で世間のニーズに注目』した彼は当時、雨が降ったときに水が下に落ちやすいと主流であった蓋の丸いトランクから積み上げやすい平らなトランクを考え出しました。
それに加え、軽い防水加工を施したグレーの無地のコットン『グリ・トリアノン・キャンバス(当時のトランク製造業者の名前)』を使うことにより丈夫で軽い運びやすいトランクとして当時の社交界のファッションリーダーであったナポレオン3世の皇紀ウジェニーの心を大きく掴むことで大流行しました。
その他にも『旅行用タンス』である『ワードローブトランク』など次々と革命的な商品を優れた技術で生み出し続け、その独創性で多くの人を虜にすると共にブランドとしての地位を築き上げていきました。
定番ラインの成り立ち
ルイ・ヴィトンといえばこれ!
次はモノグラム・ライン等、皆様に馴染みのある【ライン(柄)】のお話になっていきます。
私達の知っているヴィトンの形になっていったのにもキチンとした理由があったんです。
結論から言ってしまうと『偽物・模倣品の横行』との戦いの歴史なのです。
1880年、初代となるルイが創り上げてきたアトリエを息子であるジョルジュ・ヴィトンが受け継ぐ形でヴィトンの歴史の第2幕が始まります。
ブランド品のような人気の商品には、いつの時代にも残念ながら模倣品の類が出回るということは変わりません。ルイ・ヴィトンも、その例には漏れず今現在でも精巧に模倣されたモノが出回っているのが現状です。
当時ジョルジュはコレらの模倣品に対して新しいデザインを発売するという形で向かい合いました。あの有名なモネやゴッホが『ジャポニズム』に影響を受けたように、またジョルジュも影響を受けた一人でした。
新しいデザインの柄は日本の市松模様からインスパイアされたもので、誰もが知るあの『ダミエ』(ダミエの参考画像はコチラ!)として発売されたのです。
勘の鋭い方ならお気付きかと思いますが、『ダミエ』もすぐに模倣品が出回る結果になってしまいます。とにかくシンプル。職人の手書きで商品にデザインを施す当時では生産効率のために、どうしてもそのデザインは簡素なものでなければなりませんでした。
これを受けてジョルジュは生産効率よりも模倣しにくいデザインを作ることにしたのです。
創業から160年経った今でも大人気でルイ・ヴィトンの『モノグラム』。このデザインは【L】-【V】-【花】-【星】の4つのシンボルが均一に並ぶ革新的なデザインです。こちらもダミエと同様に『ジャポニズム』の影響を受けており、日本の家紋からインスパイアされているそうです。
このデザインは職人がひとつひとつ丁寧に仕上げていくため、模倣品を作るのは困難でジョルジュを悩ませていた模倣品の横行を止めることに成功しました。
このような模倣品との戦いの歴史があって皆様の知る『モノグラム』や『ダミエ』は生まれて来たんですね!
余談ではあるのですが、ジョルジュ・ヴィトンはこのようなラインの成り立ちに大きく関わっただけでなく全世界に対してルイ・ヴィトンを発信した功労者でもあります。アメリカ、日本、香港、アジア圏と渡り歩き自社の製品を売り歩いていったのです。この発信力は今でも発揮されており、新しい製品を発表し続けています。
素材の特徴
【トアル地】
先程ご紹介させていただいた『モノグラム』と『ダミエ』。実は革ではない素材でできているのはご存知でしょうか!
【画像はダミエ・エベヌになります。】
中には驚かれた方もいるでしょうが、『モノグラム』と『ダミエ』のラインは【トアル地】と言われる素材でエジプト綿に塩化ビニール(PVC)コーティング加工を施したものを使っているのです。
ビニールを使用しているので水に強く、弾力を持った素材なので耐久力も兼ね備えています。革のように見えるのは表面のシワによるところが大きいのですが、これはシボと言われる型押しでつけられたもので似せて作られているんです。
ぱっと見ても革にしか見えないのでちょっと驚きですよね!
長年ルイ・ヴィトンをご愛好の方は一度は体験したことのある話で、この【トアル地】について少し掘り下げていきましょう。
《ベタベタ》-《ボロボロ》、数回しか使ってないのにすごく傷んで来ちゃった!
なんてことはありませんか?この現象にも実は理由があるんです!
後に紹介させていただく【ヴェルニ】という生地でも発生するものなのですが、水分と生地が化学反応を起こしてしまい分解作用が発生します。その結果として、あの《ベタベタ》や《ボロボロ》といった状態が出来上がってしまうのです。
ルイ・ヴィトンの本場パリの気候と日本の多湿な気候は大きく違います。
本来多湿な場所で作られているわけではないルイ・ヴィトンの製品は日本で長くキレイに使っていくのは難しいものがあるのです。
『トアル地→エジプト綿+塩化ビニール(PVC)コーティング加工』
突然ですが、奇麗な水色で失礼します!このバッグ実は変色していて、元の色はこの色だったんですよ!
牛革の中でも最も高価な【カーフスキン】にエナメル加工を施し、『モノグラム』のパターンを型押ししてあるものを【ヴェルニ】と言います。
使用される【カーフスキン】というのは生後6ヶ月以内の仔牛をなめし皮としたもので《キズが少なく、柔らかく、薄い》という特徴があります。この【カーフスキン】に様々な色のエナメル加工を行い、革の雰囲気を損なわず、華美すぎない上品な雰囲気を作り出しているのです。
こちらは《ボロボロ》になることはあまりありませんが、やはり加水分解で発生するベタつきが起きやすく、色移りや変色も起きてしまう場合が多いです。
気を付けていてもレシートの印刷が移ってしまうほど繊細な商品ですので、ご使用なさる場合は本当に細心の注意が必要です。
『ヴェルニ→カーフスキン+エナメル加工』
【エピ】
本革(グレインレザー)を使用した《麦の穂が風に揺れる情景》のような線状に流れる型押しが特徴の素材で【エピ】と言います。
本革を使用しているのもあり、丈夫で型押しの加工でシワ等は目立ちにくいです。
クロム塩と植物タンニンでなめした後に染色を行うので水に濡らしたり強く擦ったりすると色落ちを引き起こすので気を付けた方がいいでしょう。
『牛革をクロム塩+植物タンニンなめし』
補足ですが、ここで出てきたカーフスキン以外にも牛革の種類はいくつかあり、《生まれてからどれくらい経過しているか》、《雄牛か雌牛か》というところでも区分分けされています。
【カーフ】生後6ヶ月までの仔牛の皮
【キップ】生後6ヶ月から2年くらいまでの牛の皮
【カウ】生後2年までの雌成牛の皮
【ステア】生後数ヶ月で去勢された雄牛の皮
【ブル】生後3年以上の雄成牛の皮
動物の生育状態の言葉で上記の革のタイプと組み合わせて使用されます。
【ハイド】-厚い、重い、大きい皮のこと。
【スキン】-薄い、軽い、小さい皮のこと。
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ここまでルイ・ヴィトンについて詳しく迫り、ご紹介してきました!
古い歴史を持ち、未だに全世界を魅了し続けるルイ・ヴィトン。その魅力はまだまだ止まるところを知りません。
これをキッカケに少しでもルイ・ヴィトンのことを好きになってもらえたら、とても嬉しいです。
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