本日、京商さんの自動車フィギュアを買い取らせていただきました。
ホンダ・シビックRS(初代)左手前
ホンダ・シビックSi(三代目)右奥
BMW M3 GTR
BMW M6
個人的に懐かしいので少し語ってみたいと思います。
初代ホンダ・シビックはアメリカでの厳しい排出ガス規制を世界で最初にクリアしたCVCCエンジンを搭載した自動車でした。燃焼室に送り込まれた混合ガスにスパークプラグが直接着火するのではなく、副燃焼室であらかじめ着火された炎が燃焼室に送り込まれて着火するという仕組みです。こんな独特なメカを考えるメーカーは世界中を探してもなかなかありません。「ホンダのびっくり箱」と言われました。日本でもアメリカでも大ヒットしました。
でも今回のフィギュアのシビックRSにはCVCCエンジンは搭載されていません。なんと排ガス的にも燃費的にもあまり褒められない、ツインキャブ・エンジンを搭載していました。キャブレター(燃料気化装置)が二つもあるのですから盛大に燃料を消費します。その分トルクもパワーも大きく、スポーツ走行にぴったりです。そんなシビックRSは走り屋の若者に大人気でした。もっとも、時代の流れに逆行するそのコンセプトは多くのドライバーには受け入れられずに消えていきました。
そして時代は移り変わります。シビックは二代目、三代目と生まれ変わり、CVCCエンジンも熟成し、排ガス規制対策も燃費性能も向上し、ついにCVCCを捨てる時が来たのです。それがシビックSiの登場でした。ホンダが市販車では長らく封印していたDOHCエンジンを載せて。このZCエンジンはF1レースで培った技術が使われていました。スイングアームという機構を持ち、吸排気バルブのリフト量を変えることができるのです。これによって大きなトルクと馬力を生み出しました。当時のライバル車「イニシャルD」で知られるAE86の4AGエンジンよりはるかに高い性能で、自動車マニアの度肝を抜いたのです。
少し熱く語りすぎましたのでこのあたりにします。
時代に取り残された1台。時代を切り開いた1台。どちらもフィギュアとなってその雄姿をいつまでも残してほしいですね。