こんにちは!かんてい局上尾駅前店スタッフです!
今回は脱進機について解説いたします!
コチラの記事でもさらっと触れさせて頂きましたが、脱進機は腕時計の精度を司る最重要部です。
長らくはスイスレバー式と呼ばれる機構が一般的でしたが、オメガのコーアクシャルや
最近ではゼニスやフレデリック・コンスタントが開発に成功したオシレーターなど新たな機構が誕生しております。
機械式腕時計の進歩と各ブランドの研鑽を知る上で脱進機の仕組みと役割は必須の知識といえるかもしれません。
脱進機とは
脱進機とは腕時計の精度を司る機構です。
一般的に脱進機と呼ばれる機構は調速機と脱進機という2つの機構をまとめた呼称です。
ゼンマイが解ける力を歯車に伝達する際、ゼンマイの解ける速度を調整するブレーキとアクセルの役割を
果たしています。
脱進機の構造
多くの腕時計はスイスレバー式と呼ばれる機構を採用しています。
出典:セイコーミュージアム https://museum.seiko.co.jp/
スイスレバー式脱進機はアンクルとガンギ車という2つのパーツからなり、
アンクルとは2股の形状でそれぞれの先端にはルビー等の硬度の高い素材が用いられます。
ガンギ車は円形で歯車に近い形状で鋭く角度が付いたカギが備わっています。
また、調速機はテンプとヒゲゼンマイというパーツからなり、
テンプは円形の天輪というパーツと中心に天心という軸があり、アームが付いています。
この天心に巻かれているのがヒゲゼンマイで、極めて細いゼンマイです。
出典:セイコーミュージアム https://museum.seiko.co.jp/
脱進機の動作
機械式腕時計はゼンマイの解ける力によって動きます。
ブリキの玩具やチョロQと動力は同じなのです!
上記の玩具はゼンマイが一度解けてしまうとそのまま解け切るまで止めたり調整する術はありませんが、
機械式腕時計は脱進機によってゼンマイが解ける速さを調整しています。
脱進機はゼンマイの速度調整と時間精度の両方を支える重要な機構なのです。
巻き上げられたゼンマイが解ける力は分針や秒針の歯車(輪列)に伝わります。
このとき、カナと呼ばれる歯の数が少ない歯車に伝達することで回転数を上げ、ガンギ車まで到達します。
↓
ガンギ車の回転はガンギ車のカギにアンクルの先端に引っかかることで制止と動作を繰り返します。
また、アンクルはアームをテンプに取り付けられた振り石にぶつけることでガンギ車が回った衝撃を伝え
ヒゲゼンマイを回転させます。
↓
等時性のあるヒゲゼンマイによってテンプは振動しガンギ車が規則正しく動くように制御します。
ヒゲゼンマイには全て解けてしまわないように調整する緩急針があり適切な場所で止まる(300°)ようになっています。
その後、脱進機は伸縮し、再び上記の動作を繰り返します。
このようにテンプとアンクルが連動し同じ間隔で動くことでガンギ車の回転が制御され
ガンギ車が歯車と連動することで輪列と連動しているゼンマイの解ける速度を調整しています。
以上、簡単にではありますが脱進機の基本を解説させて頂きました。
次回は各ブランドで開発された特殊な脱進機について解説いたします。
ぜひ一度お持ち下さい!
店舗情報
전당포 PAWN SHOP 当铺 Sanglaan casa de empeños