舶来時計(はくらいとけい)という言葉はご存知でしょうか?現代で言うなら『ブランド時計』という言葉に置き換わった様な感じがしますが、その昔(昭和の頃)は海外の時計はそう呼ばれていました。贅沢な高級品としてのイメージも強かったですが、歴史やブランド力・精度など憧れのアイテムだったようです。その中でもスイス時計は特別な存在だったようです。
今回はスイス製の時計についてお伝えします。時計だけに良いキカイになればと思います。
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スイスってどんな国?
まず、スイスについて簡単にご案内します。 正式名称は、スイス連邦。首都はベルン(Bern)になりますが、最大の都市はチューリッヒ(Zürich)。その他ジュネーブ(Genève)、バーゼル(Basel)などの都市があります。 面積は九州より少し大きい程度の約41,000平方キロメートルで、四国に似た形をしています。人口は約750万人でです。
スイスには4つの公用語(ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語)があります。
スイスの特色
思い浮かぶスイスのイメージはと聞かれると、マッターホルンに代表されるような美しいアルプスの山々、そして『ハイジ』という方も多いはずです。また、昔社会の授業で勉強した永世中立国であることが挙げられると思います。
スイスは腕時計以外にも精密機器や産業用機械,製薬,化学等の多くの分野において,非常に高い技術水準を有しております。他にも世界的な金融市場でもあり、生活水準が高いのが特徴です。
このような事から国際社会において“優等生”とも言われています。
なぜ時計産業が盛んなのか?
いよいよ本題です。
まずは【環境】の要因です。
精密機械の製造に必要な豊かな自然ときれいな水に恵まれているとおうことです。
次に【国策】とも言えるバックアップです。
スイスの時計産業の歴史は 14 世紀にさかのぼりますが、本格的に花が開き始めたのは 16 世紀になってか らです。それまでジュネーヴでは職人の卓越した技術による宝飾細工が盛んではありましたが一般市場に出回ることはあまりありませんでした。それでも、しっかりと技術は受け継がれ1824年に開校したジュネーブ時計学校や、ウォッチメーカーの協賛で作られたウォステップ(訓練教育プログラム )を通し、数多くの時計職人育成機関が存在し、高度な技術を次世代につなげています。
それらが功を奏し、現在では、全世界の時計売上高のうち、50%以上をスイス時計が占めるようになりました。
時代の変化に対応した戦略
スイス時計が順風満帆だった訳ではありません。1969年にセイコーが安く大量生産できるクォーツ式時計を世界で初めて発表すると、スイス時計は大ダメージを受けました。この危機に、スイスの時計業界はブランドを再編して合理化を図るとともに、歴史的なブランドネームを続々と復活させ、腕時計をステータス性の高い嗜好として売るという戦略に出ます。
最新電子技術との直接対決を避け伝統回帰するこの戦略は大成功。スイス時計=伝統的=高級という認識は世界中でますます強くなりました。
信頼の証【Swiss made】のこだわり
腕時計の文字盤に記載してあるSwiss madeの表記ですが、実は様々なルールがあります。
①スイス製ムーブメントを載せていること。
②スイス国内で製造者がケーシング(ムーブメントや文字盤などをケースに収め組み立てる)していること。
③スイス国内で製造者による最終検査を行っていること。
これらの条件が1971年に制定されたスイス法令(swissness)の「スイス時計の定義」です。
※2020年に改定あり、より細かく制定されています。”Swis made”を表示する事がより難しくなりました。
各ブランドの表記
ROLEX(ロレックス)はマニュファクチュールといわれる自社で一貫して腕時計を生産できる体制を整えているブランドです。
OMEGA(オメガ)は世界最大規模の時計製造グループ(The Swatch Group )の傘下にあります。
CHANEL(シャネル)フランス・パリで誕生したファッション界のビッグブランドも時計の製造はしっかりとスイスです。
PANERAI(パネライ)イタリアの時計ブランドですが、デザインはイタリア・製造はスイスになっています。
最後に
いかがでしたでしょうか?本日はスイス時計についてお伝えしました。
余談として、ブライトリング社はネジの1本まで、100%スイス製にこだわっているブランドですが、文字盤の一部とベルト素材に関しては海外製を一部使用しているようです。
キラキラとした文字盤ですが、天然の貝の素材を使用しています(MOP=マザーオブパール)しかも、この材料は唯一【日本産】を使用しているとの噂の部材です。
当店の取り組み
かんてい局須賀川店では腕時計に関して様々なトレーニングを行っております。その一環として、直接現地に行って歴史や文化、海外の販売店を訪問したりもしています。これは、私達の仕事は単に査定で買取金額を出すだけではなく、時計を所有したオーナーさんと時計の話で共感したり、販売の際に時計の魅力をよりお伝えしたいと考えているからです。
かんてい局須賀川店はブランドの最新情報だけではなく、ブランドの背景もしっかり理解したプロフェッショナルが在籍するお店です。
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